半都市のすすめ

ただ都市を捨てたところではじまらない。捨ててしまえば、それは償うことのできない廃棄物になる。まずは都市に穴を穿ち、速度をスローダウンして半分の都市をつくる。そんな半都市にこそ、人がこれから暮らしていく都市の姿があるだろう。

グローバル経済がギクシャクし、少子高齢化によって国家の経営方針の転化が避けられないいま、必要なのはテクノロジー武装した強い都市や森のなかで暮らす自然都市ではなく、半分の都市である。都市空間の速度や機能を半分にしていくことでエネルギーの消費も半分に、さらに必要とするエネルギーも半分にして人のなかを流れる時間を愉しむとよい。

かつてはコンパクト・シティがあったが、いかにコンパクトな空間のなかに機能をレイアウトするかという方法だった。いわばCPUを再設計してよりコスト・パフォーマンスを高くするというものだった。半都市はコスト・パフォーマンスを望まない。エネルギーに対するパフォーマンスと過剰にならない機能をレイアウトすればよい。

そろそろ脳の外を散歩してみるのもよいかも知れない。