ブログ小説

ブログで小説を書き始めて今日で第19片。ブログだとずっとスクロールして読むのがつらいので、新聞小説のような短い断片を重ねるようになる。またディスプレイを考えると「欝」のような画数の多い文字は自然に避けてしまう。またアクセス解析で何人ぐらいがどれを読んでいるかもおよそ把握できるので、読み手との距離が少し近く感じる。

だがブログではまだ様々な書き方ができる。その特徴的なものは複数の書き手が同時にひとつの物語を書いていくという方法だろう。これはロールプレイング・ゲームにも似ているが、たとえば三人の登場人物を三人が同時に綴っていくという方法もある。また読み手がコメントをつけたり、トラックバックを張ったりすることができるので、小説の外側にもうひとつスペースを生むことも可能になる。

また編集者が一緒に運営すればただ書いたものを読んでいただく、というだけでなく、小説を核とした複合的なコミュニティを形成することだってできる。

だが、まだ出版社も編集社もほとんどブログを冒険していない。社会のなかの表現のあり方が半分のリアリティとともに流通しそうな気配であるが、この一事にあまりに無頓着である。やはりインターネットは、まだいまの大人たちに扱える代物ではないのか。柔らかい想像力で遊ぶことが大事なのだけれどね。

また、ブログをなすモノが言葉であるということも気にとめておきたい。