都市とイメージ

都市はあまりにイメージに流されやすい。都市はいつ消失するやもしれぬ不確かな空間で、都市を建築すること自体にいったいどれほどの価値があるのかわからない。近代という脳内現象は都市にひたむきになったが、繰り返されるテロリズムや膨らみ続ける環境問題の現実が都市という幻影に亀裂を生む。

いま、もっとも幻影のなかにいるのは政治かも知れない。脳内をあくせく建築することに没頭する。戦争というのは人間にとっては消去することの出来ない現実のひとつであるが、都市においては戦争が消去されなければならない。近代技術を用いて都市に迫る戦争を、近代技術を用いて都市から遠ざけ、封じこめようとする。

もう、そろそろ都市という夢からさめてもよい頃合ではないか。夢を超え、リアリティに向かうのがイマジネーションだ。リアリティをくるんで別物に仕立て上げるのがイマジネーションではない。都市ではイマジネーションになりきれないイメージの断片が浮遊する。

さて、イマジネーション磨いていますか。