デスクトップとしてのSqueak

講座終了後、自分のコンピュータの環境をSqueakでおおってしまった。これがなかなかにいい。Squeakの「プロジェクト」はそのそれぞれを仕事等を進めるデスクトップ空間に見立てることができる。引き受けた仕事によってその進め方も必要な情報群も異なるが、PCの「ウインドウ」を利用していると、PCというハード環境共通の情報の所在としてのフォルダやアプリケーションのフレームがウインドウで表示されるばかり。PCで仕事をしている人を観察するとよく分るが、実際の仕事に関わる操作以上に目的のフォルダにいきつくためのフォルダ操作などが圧倒的に多い。


これはちょっと奇妙ではありませんか。ひとつの机でなんでもかんでもすべての仕事をこなそうとすると、デスクトップはアイコンであふれ、いつもファイルを探し回るはめに。少しでも机を綺麗にしようとデスクトップのテーマを変えてみたり、ウインドウのデコレーションを自在に変えるツールを導入したりする。また解像度の高いディスプレイとグラフィック・ボードを用意して、少しでもデスクトップ画面に隙間をつくろうとする。でもこれは実際の仕事とはなんの関係もない。


複数のデスクトップ画面をきりかえられるツールもあるけれど、何面のテニスコートを持てるか、と同じ。ただ広いだけだといずれ迷子になる。


そこでオススメなのがSqueakによるデスクトップ。仕事やテーマごとにプロジェクトを階層化して配置していく。これは実は実際に人が仕事を進めるときの「構造」に近いのでとてもわかりやすい。でもSqueakでメールやグラフィック・ソフトはしんどいじゃん、という方、Squeakだけですべてを解決しようとするのではなく、既存の必要なツールはSqueakから起動するようにする。ぼくの場合は、共有の「フラップ」をひとつつくってそこにソフトのアイコンを模したボタンをつくっておいた。


これがなかなかに快適。ある程度自分の仕事の領分をコンピュータのなかに構造化してもちこむことができるようになった。なぜこんな簡単なことをいままでしなかったのだろうか。ウインドウがUIなのではない。


Squeakというとやたら、Morphを動かしたりすることに終始しがちだけれど、少し視点を変えてデスクトップとして利用してみるとよい。デスクトップが階層化(構造化)されるとそれぞれの「仕事」がきちんと整理される。デスクトップには必要なメモやそれぞれで利用するソフト資料などが整理されていて、いつでも「仕事」をスイッチできる。おまけにこれが「仕事」を進めていくときの履歴にもなる。


こんなSqueakとの付きあいかたもある。一度お試しあれ。