ラボ準備中

いま、T美術大学で、[Squeak + 情報デザイン]の研究・開発・普及を進めるラボを準備している。T美術大学の情報デザイン学科では、「情報」の教育としてC言語DBNDesign By Numbers、前田ジョン)などを実施しているが、どうもしっくりこない。相変わらず、情報とデザインのあいだに耐えがたい距離がある。


そこでSqueakを持ちこんだ。アラン・ケイ博士が提唱したDynabookは、情報デザインがめざすツールでもある。だからこそ、Squeakからはじめてみたかった。そして夏の補講期間に4日間の『Squeak特別講座』を実施した。学生の反応もまずまず。せっかく大学で教えるのだからと、ただSqueakで遊ぶだけでなく、オブジェクト指向の考え方やSqueakにいたる歴史、情報デザインとSqueakなど、Squeakを位置付ける話も展開した。最終日には、卒業演習で必要な「携帯電話を利用した鬼ごっこ」のシミュレーションを組み立て、どれくらいの広さで何人ぐらいがどれくらいの時間でできるか、あらかじめシミュレーションしていた。これは少し情報デザインらしい。


学生・学内の反応をみたうえで、次は"SQUEAK LABO"(仮称)へ。[Squeak + 情報デザイン]を研究テーマとしてかかげるだけでなく、[SQUEAK + 情報デザイン]をテーマとして活動しつづける場所を作りたかった。誰かの研究テーマになるのではなく、誰もがそこで研究・開発・普及を続けられる場所が欲しかった。それだけの「向き」をSqueakに感じる。


"SQUEAK LABO"は、内外の研究者・開発者・ファンなどが出入りできる場所にしようと思っている。T美術大学としては、まず情報デザインとSqueakを結びつけて、様々な道具の研究・開発や、未来像のスケッチ、インタラクションやインターフェース、様々な学びのかたちへのSqueakの応用などを学際的スキームとして実施する。また、Squeak文化をささえるSqueakerたちを支援し、おたがいにSqueakを通じて社会貢献できるような仕組みを準備したい。


先日、SqueakerのABさんとディスカッションした。Squeakを語りつづけると、いつのまにやら文化を語るような風情になる。これもSqueakの懐の深さ。ソフトウエアという言葉で片付けてしまうのは少しもったいない。大事に大胆に育てていきたい。