風格

風をまず皮膚で感じる。これは身体の外を吹く風。冷たかったり、熱かったり、吹き飛ばされそうなチカラだったり、獣の歯のように砂が刺したり、ソヨソヨと涼しさを運んだり、遠くの音を運んだり、およそ人と自然のかかわりのはじめの一歩が刻まれている。なにかをもたらしたり、持ち去ったりもする。風邪を引いて寝こむこともあれば、風の便りを受け取ったり、風雅に遊んだり、風光に酔い痴れたり、風聞にとまどったりもする。この風のようなはたらき・チカラが身体の内部で自覚されると「気」になったり、プネウマになったりする。外の世界と同じように身体のなかでも様々なモノ・コトを運んだり、持ち去ったりしている。このふたつの風が風格をつくる。