風覚

風はおよそ感覚そのものである。感覚が姿をもってめぐっていると言ってもよい。視覚や聴覚や触覚というぐあいにバラバラに生起するのではなく、感覚の一切が風のなかにたたみこまれている。ボブ・ディランは「すべての答えは風のなかにある」と歌った。妙に合点してしまう。この風の感覚が大事だ。