風狂

風は時に人の軸さえ傾ける。風のすさぶカオスのなかで「狂」にはじまる新しい構造をもたらす。風狂には次の舞台への趣がいつもこめられている。坂口安吾ならさしずめ風博士だろう。「風祭」など風のつく苗字も物語のなかでは定番である。五七五のわずか十七文字を携える俳人風狂にむかうのも風のなせるわざである。