メールマガジンからブログへ

メールマガジンは誰もが発行できるメディアである。だがあくまでもテキスト主体でシーケンシャルに読むしかなかった。雑誌の同時性の面白さを伝えるのは困難である。

おそらく現在は一時期ほど誰もがメールマガジンをやってみようとは思わない。かつては個人の日記もメールマガジンで発行されていたが、いまはそのほとんどがブログに移っているだろう。

かつて二ヶ月ほどの発行であったが、面白いメールマガジンがあった。作者が紅茶を買い付けにセイロンに旅立つ、というメールマガジンであった。メールマガジンはインターネットに接続でき、ブラウザさえ立ち上げられれば発行できる。そして買い付けの旅の途上でインターネット・カフェを見つけてはメールマガジンを発行する。この臨場感がこたえられない。雑誌では一週間、一ヶ月遅れでレポートされるが、メールマガジンはまさに「いま」のレポートだった。色々なトラブルにあいながらも買い付けにいくのだが、読んでいるほうもハラハラしたり、ドキドキしたり、頑張れと応援したものだった。

こんなところに新しい雑誌やジャーナリズムのヒントがある。

Hotwired(http://hotwired.goo.ne.jp/)やCNET(http://japan.cnet.com/)を思い浮かべる方も多いだろうが、前者は既存の印刷メディアの雑誌を電子化する方向、CNETはこれ自体が巨大なブログのようでまだ雑誌と呼べるような方向は示していない。まだあまりに「新聞」の固定的イメージに引きずられている。