2004-05-24から1日間の記事一覧

三遠バーチャル・リアリティ

VRは脳に近すぎる。「途上」のプロセスを飛ばしていきなり脳の近傍に情報が差し出される。だからこそ、解像度を落とし、人の感覚がつけいる「隙」をもったVRを提案したい。おそらくは圧倒的なリアリティを持ったソリッドな空間ではなく、やわらかな編集的リ…

屏風のリアリティ

なにもエレクトロニクスがなければ「仮想現実」が生まれないわけではない。かつては屏風から抜け出た物の怪に慄いたり、掛け軸の滝にすずやかさを堪能したものだった。そこには電子的現実とは異なる仮想現実があった。「現実感」は、脳のなかで情報が束ねら…

バーチャル・リアリティの遠近

また、VRは研究者が意識しないうちに近代的(西洋的?)遠近法がCGとともに用いられる。だが、およそ人が脳のなかで正確に線形遠近法を利用してるとは思えない。おそらくは山水画の三遠(高遠:山の下から山頂をあおぐ、深遠:山の谷間から後方をうかがう、…

バーチャル・リアリティの疲労

S研究所のH氏としばし歓談。バーチャル・リアリティ(VR)の応用の話の段で、VRを体験するととても疲れるという話題。VRは視覚を中心にした超高密度の情報で圧倒的なリアリティを出現させる。おそらくは、視覚に関しては「自然状態」以上の密度と速度で情報…