半次元

このところ半都市や半自分や半言葉に注目しているが、この発端はデビッド・マー2.5次元スケッチだった。認識後にピンで留められる世界はめでたく3次元になるが、認識のさなかは2.5次元であるという洞察に注目させられた。考えてみればサイバネティクスの基本のフィードバックも本来同じ次元で覗けないはずの情報をもたらす仕組みで、0.5の次元を足しているということができる。この半分の膨らみに、おそらく生命や自然の仕組みの基礎がある。この半分にこそ編集感覚もひそんでいる。

科学でも学問でもあまりに認識後に心を奪われてきたようだが、一方で禅はこの半分を一息に歩いてしまう。二十一世紀は半分の隙間の時代であるのかも知れない。